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ロシアのITベンチャー、WEBサービス、起業家、スタートアップを紹介します。

ロシア個人旅行にオススメ観光系WEBサービス

移転しました。

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意外と知られていない
ロシアの観光産業

エネルギー大国のイメージが強いロシアですが、実は大きな観光産業を持っていることを知っていましたか?


日本政府観光局によると、2015年、ロシアの外国人旅行者の受入数は3,135万人で世界10位でした。インバウンドが騒がれる日本の2,404万人(2016年)と比較しても、ロシアの観光産業は十分に大きな市場と言えます。

出典:日本政府観光局(JNTO)

 

一方、2014年に国連観光機関で実施された調査では、ロシア人旅行者が海外で使う金額は、日本では旅行好きのイメージがあるフランス人やオーストラリア人を抜いて、世界5位の504億ドルであり、ロシア人のアウトバウンド旅行も非常に大きな市場です。

 
ちなみに、私が住むサンクトペテルブルクは、2年連続「ヨーロッパで最も行きたい都市」に選ばれているロシア最大の観光都市です。

出典:Zdanie.info(https://zdanie.info/2393/2467/news/9379

 

不動産情報のZdanie.infoによると、2016年、外国人旅行客と国内旅行客を合わせた観光客数は700万人を超えました。2014年のルーブル暴落後、ロシア人の海外旅行者数は激減し、一方で、国内旅行者数は2015年から大きく伸長しました。また、国内旅行者増加の影響を受けて、チケット・ホテル、パッケージ旅行予約のオンライン化が進んでいます。観光産業にIT化の波が押し寄せており、周辺ITサービスも盛り上がりを見せています。

出典:Data Insight

 

また、Airbnbロシアが発表した報告によると、2016〜2017年にかけてAirbnbロシアの流通総額は$32Mでした(日本のAirbnbの74億円程度)。これは、ロシアのホテル・アパートメント宿泊業(民泊を除く)の市場規模が$36B(2130億Rub:2016年)であることと比べると、まだ1%未満のシェアとなっており、今後も大きく規模を伸ばしていくと考えられます。

▼ロシア・日本Airbnb比較

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出典:泊まログ(http://tomalog.jp/airbnb/airlabo/

 

観光系Webサービス

2017年から日露間でもビザ発給が緩和され、また、2018年は「日本におけるロシア年」の開催が決まっており、今後はロシアに旅行する日本人も増えていくことが予想されます。これからロシアへ旅行される方は、整備されつつある観光系のWEBサービスを賢く使って、旅行を満喫してみてはどうでしょうか。

 

tvil.ru

tvil.ru

 ロシア版Airbnbのtvil.ruは2011年にサイトをオープンしました。Airbnbとの相違点は、ユーザーに予約手数料が発生しないことです。ロシア国内ですでに50,000件の物件掲載があり、特にソチなどの黒海沿岸地域のリゾートホテルにおける掲載数が多いのが特徴です。

 

tutu.ru

www.tutu.ru

tutu.ruは2003年創業のITベンチャーで、国内外の飛行機·鉄道·ホテル·ツアーのオンライン予約プラットフォームを運営しています。月に1,350万人のユニークユーザーがサイトを訪問しており、名実ともにロシア最大のブッキングサイトです。現在は各交通機関のサイト上でオンライン予約が可能になり、競争環境は厳しくなっていますが、返金対応がネット上で完結できるなど、細かいサービス対応で、優位性を保っています。

 

2гис(2gis) 

2gis.ru

以前にも紹介した、2gisはノボシビルスク発のITベンチャーで、地図アプリを提供しています。地図アプリだとGoogle Mapなどがロシア国内でも利用可能ですが、2gisの素晴らしい点は建物の入り口も正確に表示してくれる点。また、飲食店などの店舗情報も頻繁に更新され、営業時間や、クーポン情報などを知るにも便利です。2gisは調査員のフィールドワークによってデータ収集をしており、ロシアに最適化された非常に高いユーザビリティを誇っています。

シベリア潜入編はこちら

russiabuzz.hatenablog.com



Taxovichkof 

taxovichkof.ruサンクトペテルブルクのタクシー配車アプリであるTaxovichkof は、2014年創業のスタートアップ企業です。初乗り33ルーブルという低価格の実現と、車内でのwifiや充電の提供など、サンクトペテルブルクならではの旅行客向けのカスタマーサービスで、業界を牽引するポジションにあります。

 

beep car

beepcar.ru近郊都市への移動には、ライドシェアアプリを利用する方法もあります。beep carは、2017年2月にMail.ruグループが発表したライドシェアサービスです。すでにジョージアウズベキスタンでも利用できるようになり、その規模を拡大中です。目的地には近日開催されるイベントも入力することもできます。アルファ銀行系列の保険会社と提携を結んでおり、サービス利用時に自動的に保険適用されるようになっています。

 

Whizzmate

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Whizzmate
Whizzmateは海外旅行の際のコンシェルジュサービスを提供しています。1日3.95ドルから利用でき、ロシア人の英語話者が電話で、ユーザーの様々な質問に対応してくれます。チケット予約や、現地のロシア人との電話での代理交渉などに重宝します。

 

Timescenery

time.scTimesceneryはブッキングとSNSを組み合わせたトラベルサービスです。WEB上で、他人が組んだ旅行プランを参照し、そのまま予約することできます。旅行プランを公開した人は、本来であればTimesceneryに入るはずであった、代理店や航空会社からの予約手数料の70~80%をキャッシュバックとして受け取れる仕組みです。旅行上級者向けのサービスですが、旅行代理店にはないようなプランも公開されており、一見の価値があります。          

 

 

2014年からのルーブル安は2017年の現在でも続いており、来年のサッカーW杯に向けて、さらに観光客が増えていくことが予想されます。インフラの整備が進むことにあわせて、ITスタートアップ業界でも、外国人向けの新しいソリューションが生まれてくるでしょう。日本も2020年に東京五輪が控えています。日本もロシアの観光産業から学べる所はあるでしょうか。

 

参照記事→

www.rbc.ru