IT集積地 ロシア第4の都市ニージニー・ノブゴロド
移転しました。
「ロシアの財布」
ニージニー・ノブゴロド
モスクワから東へ400kmの場所に人口120万人、ロシア第4の都市ニージニー・ノブゴロドはあります。オカ川とヴォルガ川の合流する地点で、昔から「ロシアの財布」と呼ばれ、
商工業で栄えた街です。
有名なロシア国産車メーカー”GAZ”の工場があり、労働人口は70万人と言われいます。
20世紀にロシアの抑圧された人々を描いた、大作家マクシム・ゴーリキーも
ニージニー・ノブゴロドの出身です。
また日本では馴染みがないかもしれませんが、18世紀の偉大な発明家イヴァン・クリビンも
ニージニー・ノブゴロド出身です。
(ネヴァ川にかかる橋、トラクター、電灯など、実に様々な発明をしています)
IT集積地としての
ニージニー・ノブゴロド
今回はITスタートアップコミュニティの運営者であるイーゴリに、
ニージニー・ノブゴロドを案内してもらい、いろいろとIT産業とスタートアップ界隈の
お話を聞くことができました。
↓イーゴリの運営するスタートアップコミュニティ
ニージニー・ノブゴロドのIT人材は約8,000人で、IT企業が360社以上あると言われています。生活維持コストが低いため、大手企業の開発部署がニージニー・ノブゴロドに
拠点を移してきており、Yandex(80人)、Mail.ru(1200ー1400人)、NetCracker(300人)、
Intel(ロシアでは唯一; 700人)などがオフィスを構えています。
40㎡の1Kなら8,000〜20,000ルーブル/月で借りることができます。
(ちなみに、ペテルブルクだと20,000〜35,000ルーブル/月、モスクワだと30,000〜65,000ルーブル/月)
ここでのIT専門家の平均月給が50,000〜60,000ルーブル、シニアマネージャーレベル(全体の10%程度)になると100,000〜120,000ルーブルになります。
ニージニー・ノブゴロドは大企業とスタートアップの関係性が非常に良く、
イベントやミートアップには、企業がオフィスを貸し出しています。
(2/12開催のセキュリティ関係のミートアップ「DEF CON ニージニー・ノブゴロド」では、Yandexがオフィスを貸し出しています)
ニージニー・ノブゴロドは2013年頃より行政がIT分野の振興に注力し始めました。
2012年末:ビジネスインキュベーターの”CLEVER”がリブランディング
Бизнес-инкубатор CLEVER
2013年:モスクワーニージニー・ノブゴロド間を4時間で結ぶ鉄道≪つばめ≫が開通
2014年:テクノパーク”アンクディノフカ”がオープン
元々は、企業のアウトソーシング先として、受託開発がメインだったニージニー・ノブゴロドのIT産業でしたが、近年はニージニー・ノブゴロド発のスタートアップも注目を集めるようになってきました。国内だけでなく、海外からも投資家がスタートアップを買収する事案が増えてきています。2016年には初めて、テクノパークにてITコンクールが開催されました。
- ニージニー・ノブゴロド発で注目を集めているスタートアップ
Idei Podarkov
ギフト特化EC
NN.RU(ニージニー・ノブゴロド オンライン)
ニージニー・ノブゴロドのポータルサイト
アメリカ人投資家に買収されました
NNOV.ORG
ニージニー・ノブゴロドのポータルサイト
EXIT済み
Adore Games
オンラインゲーム開発
Freemake
オーディオ・ビデオコンバーター
DVDVideoSoft
オーディオ・ビデオコンバーター
itSeez3d
3Dスキャニングモバイルアプリ
Mobile 3D Scanner App for iPad | itSeez3D
Intelsol
スマホゲーム
Comfortway
グローバルSIM
akogda
最新ドラマお知らせサービス
- エンジェル投資家
Eduard Fiyaksel
Eduard Fiyaksel — GVA LaunchGurus
Comfortwayの開発者たちと
前回、RSP技術を使ったグローバルSIMを開発したComfortwayを紹介しました。
今回、オフィスを訪問させてもらい、開発者のマキシム(左)とジェーニャ(右)から話を聞くことができました。
Comfortwayのプロジェクトがスタートしたのは、実際には2009年頃からでした。
このプロジェクトに関わる彼らは、企業のアウトソーシングを受けたり、他の企業に勤めたりと他にも収入源がある中で、プロジェクトを進めています。
実際、ComfortwayのSIMカード事業が始まるには、”Video Consultant”
(コールセンターのオペレーターが使用する営業ツール)というBtoB向けソフトウェアを
開発して、サービス提供していました。
Comfortwayの今のチームは15人。モスクワにヘッドオフィス機能があり、
開発がニージニ・ノブゴロド、他にも香港やチェコ・プラハにもスタッフがいます。
会社登記上はチェコ法人です。
今は、モスクワを中心に営業を進めており、世界中の通信事業者とパートナーを組み、
BtoCでグローバルSIMの販売を加速させていくとのことです。
今後の展開としては、
グローバルな競合相手を認知はしていますが、ソリューションが異なるため、
サービス認知と開発投資のスピードを上げていきたいとのことでした。
日本市場については、現在は中国の通信事業者を通している為、
料金体系が割高になっており、日本の通信事業者と直でパートナー契約を結びたい、
とのことでした!大手通信会社の皆様、ご連絡をお待ちしております!
彼らは30代で、落ち着きもあり、とてもオープンな性格で、
初対面にも関わらず、本当によくしてもらいました。
彼らのグローバル展開が成功するように今後も応援したいと思います!